自分の親に対しての気持ちに、とても変化があったかな。

親父は体が弱くて、俺が22歳のときに亡くなっているんだけど、実は、親父とはあまり仲が良くなくて、いつも衝突して盾突いたりしていたんだよね。だから、ちゃんとした話をしたことなんてなかった。

うちは両親が共に公務員だったから、親父は俺が公務員になる事がいちばん幸せな事だと思っていた。その反発もあるかも知れないけれど、学生の頃は親父のことが嫌いだったんだ。大学を出る時に「俺はやっぱりロックをやるから」と伝えてからは、口も利かなかったから。

結局、俺は親父が亡くなった後２３歳でデビューしたんだ。

大嫌いだったはずの親父が亡くなった時、「俺って、親父のことあんなに嫌いだと思っていただけど、ほんとは好きだったんだな」と思ったんだよ。悲しかったし、もっと話をしたかったなって。

そして、４７歳で初めて親になった時、「親父って弱い人だと思っていたけど、実はすごく強い人だったんだぁ」ということを実感したんだ。

公務員という仕事が俺にとってはつまらない仕事に思えて、「毎日同じことの繰り返しばかりで何が楽しいんだ！」なんて盾突いていたけど、思えば親父は病弱な身体を引きずって、住んでいた埼玉から東京の職場まで、毎日1時間半以上も何十年も通い続けたんだよ。長い通勤時間、そして長い仕事の時間があって、また時間をかけて家に帰ってくる。それを何十年も続けるってすごいな、と思ってさ。「それって全部、俺の為だったんだなぁ。子どもの為だったから親父はそうできたんだな。良い親父だったんだなぁ」って思えてきたよ。

親父に対しては、いろいろな気持ちがあったけど、親になってみて初めて理解できたことがあったよ。
今、生きてたら親父「有難う」って言いたいね。３人の子供達にも会わせたかったなって思う。

どうなんだろう。

俺は、親になるまで親父の気持ちを理解することができなかったけど、例えば息子たちが俺に盾突いて来たりしたら悲しいから、俺が親父に対して求めていたものを与えてあげられるようにしたいなと思うね。

でも「親の気持ち子知らず」という言葉があるように、どんなに努力をしても、その時はわかってもらえないことがあるかもしれない。いつか子ども達が理解できたり、伝わったりするように、できるだけのことをしてあげたいと思っているよ。

親っていうのは、本当に強いんだ。
子どものためにだったら、なんだってできる。

この気持ちは親になってみて初めて感じるものだから、この気持ちを感じると、自分の親に対しても感謝の気持ちでいっぱいになるよね。親ってすごいよ。

親になって、親父に対してそういう気持ちを持ったということをお袋には話してないかな。
それは、俺の心の中で親父に対して伝えてる気持ちだから。

お袋に対しての感謝の気持ちは、もちろんいつも伝えているつもりだけど、これからも何度も生きているうちに言わないとね。
お袋は今８６歳で一人暮らしをしているんだけど、とても元気で自由に生きてる人なんだ。

俺が一人っ子で４７歳まで子どもがいなかったから、８０歳を過ぎて孫が３人もできるなんてびっくりしてる。双子が生まれた時なんて、本当にびっくりしてた（笑）
「あと１０歳若かったら、孫の面倒見てあげられたのに」っていつも言ってるよ（笑）

ニーチェはおばあちゃんにとても似ているんだよ。２人ともB型のみずがめ座。
お袋に対しては、孫を見せてあげることができて本当に良かったと思ってるよ。

俺の若さの秘訣はね、『ギラッチ』と『タウリン』だよ！（笑）

『ギラッチ』な心をずっと持っていることは、若々しさを保つ上ではとても大切なんだ。

そして、ギラッチの元になるのが『タウリン』。旦那さんにカキフライを食べさせることをおススメするよ（笑）。カキフライにはたくさんタウリンが含まれているからね。

ギラッチの意味は、想像にお任せするよ！

でも、１２歳差の旦那さんと３人のお子さんでしょ？十分ギラッチだよ！

ぜひ、また子作りを続けてほしいな。それが１番の若さの秘訣だと思うよ！
あとほんのちょっとの若づくりかな（笑）

８回に渡りお届けしてきた　ダイアモンド✡ユカイさんの『ユカイなパパライフ』
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
４７歳でパパになったユカイさんの約４年のパパライフをギュッと凝縮してお届けしました。
お話してくださっている間、何度も見せてくださったパパの顔。
テレビで見かける表情とは違う、優しい笑顔がとても素敵でした。
（取材・文：上原かほり　撮影：chiai　衣装：B-STAND OUT　ヘアメイク：藤垣由夏）