- Profile
中山秀征 1967年生まれ、群馬県藤岡市出身。明るくスピード感あふれるトークで、日本テレビ「シューイチ」、フジテレビ「ウチくる!?」などのレギュラー番組をはじめ数多くの番組に出演。4人の男の子の父であり、家事に協力的な良い夫・父親として「第30回 ベストファーザー イエローリボン賞」受賞。
- Profile
内田恭子 1976年生まれ。1999年、アナウンサーとしてフジテレビに入社後、バラエティ番組やスポーツ番組などを担当。2006年にフジテレビを退社し結婚。2010年に長男、2013年に次男を出産し、2人の男の子を育てながらキャスターとして活躍。
- 2014-08-13
- 第4回 『ブラム』という映画は、子どもの可能性に気づかせてくれた
今年で22回目を迎える子どもたちの世界映画祭『キンダー・フィルム・フェスティバル』の国際特別審査委員に任命された中山秀征さん、広報宣伝大使に任命された内田恭子さんに、フェスティバルの魅力や今年の見どころを始め、お子さんがいるお二人に、パパとして・ママとしてどのような生活を送っているのかお話を伺いました。
全8回の連載インタビューのうち、第4回目をお届けします!
- 今年上映される映画の中でおすすめを教えてください。
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内田:私は、『ブラム』というオランダの映画がおすすめです。
ブラムは小学1年生になったばかりの男の子で、よくいる落ち着きのない、先生の話を聞いていないような子で、初日から担任の先生に怒られちゃうんです。
人の話を聞かずに何をしているのかっていうと、彼は想像力が豊かで、好奇心旺盛で、独特の世界を持っているんです。自分の目と心で素直に世界を見て、どうしてあれはきらきらしているんだろうとか、どうして空は青いんだろうとか、自分の周りの世界にいっぱい興味をもっているんですよね。
自分の子どもを見ていても思うことがあるのですけど、親からするとそんなことしなくてもいいのにということをずっと集中してやっていたり、自分の中で勝手にルールを決めて熱中してやっていたりとか。今日は、このインタビューの前に子どもを幼稚園に連れて行ったんですけど、すごくのろのろ歩いてるな~と思って、よくよくみたら、細い線の上を延々と歩いているんですよね(笑)
そういう子どもなりのこだわりって、親には分からなかったりして、時には「早く○○しなさい」とか言ってしまったりするんですよね。忙しい生活の中だと、早くごはん食べてほしいとか、どうしてそんなことやってるのと思うこともあるんですけど、この映画を観ると、子どもには子どもの世界があって、そこには真剣な疑問があったり、そこから何かを発見しようという子どもなりの考えがあってやっているので、それを見守る親というのも大事だなぁということに気づかされます。
子どもがやっていることに対して、すぐやめなさいと言うのではなく、それも子どもの成長に必要なんだということを理解しないといけないなぁと思いました。
私が普段忙しくて気づかなかったことや、子どもの可能性に気づかせてくれた映画です。中山:あえて目をつぶることによって、子どもを育てることができるんだなというのを気づかせてくれる映画だよね。その子には素晴らしい才能があるかもしれないのに、大人は常識やルールにはめこみたがってしまう。
子どもに「どうしてこれは○○なの?」と聞かれて、「それは、そういうものなの。」とか、決めつけたりしがちですけど、普通のことにも疑問を思うのが子どもなんだよね。
そういう疑問に思う気持ち、考えようとしている子どもの意識を大事にしないといけないということを感じさせる映画ですね。例えば、僕らも子どもの頃に経験してきた、学校帰りの道草も、探検することや冒険心を育てることにつながっていますよね。
だけど親となった今では、「危ないからまっすぐ帰ってきなさい」とすぐに言ってしまいますよね。確かに、昔と違って今は環境変わってきたのかもしれない。
でも、もしそうであるならば、逆にのびのびと道草しても大丈夫な環境を作ってあげなきゃいけないんですよね。内田:子どもの冒険心と言えば、『ジザンのチョコレート』というトルコの短編映画。
私は4歳の息子と一緒に観たんですが、すごく楽しんで観ていましたよ。大好きなチョコレートを買いにいくために、おじさんのスーツケーツに隠れてアルメニアからトルコへと旅に出る女の子のお話ですが、まず、チョコレートという子どもの憧れのものが出ているので、食い入るように見ていましたね(笑)
映画は国境問題をテーマにしているのですが、子どもはそういう国境がどうのとか細かいことは分からなくても、トランクに入って内緒で旅をするということにワクワクしたみたいです。
15分の短編映画なので、小さなお子さんをお持ちの方におすすめです。
(C) B-Walter Studios_LAVAlabs中山:チョコレートという子どもの憧れのものが出てくるから、映画も集中して観れるんだね。僕のオススメは、やっぱり目玉の『ピノキオ』かなぁ。
だって、あの名作が実写版になっているのだから、子どもはもちろん、大人もものすごく面白く見ることができますよ!そもそも、『ピノキオ』がどんな物語だったか、記憶が曖昧な方も多いんじゃないかなぁ。見ていて、そうだそうだ、こういう話だったんだ!とか、童話で読んでいた話が映像になっていると、子どもとは違った視点で映像を楽しむことができますよ。
木の操り人形であるピノキオは、CGなんですが、おもちゃ作りのおじいさんは実写で、クジラのお腹の中のシーンなど実現不可能と思われるようなところも、色あざやかに描かれていて期待を裏切らないですよ。
- では最後に、映画祭に来場される方に向けてメッセージをお願いします。
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内田:この『キンダー・フィルム・フェスティバル』は、子どもだけでなく親も楽しめるところがたくさんあります。親子で同じ映画を観て、そのあとにぜひ感想を話し合って楽しんでいただけたらと思います。「ああ、この子はこういう風に感じているんだ」というように、お子さんの考えが伝わったり、お子さんの成長を発見できる機会にもなると思います。夏休みの良い思い出の一日になったら嬉しいです。
中山:映画って色々あるから、どれを見てもいいと思うんだけれども、僕たちって、自分で見つけようとしない限り、案外メジャーなものしか知らなかったりするんですよね。
子どもたちはもっと知らないので、世界にはこんなに面白い作品がこんなにあるんだと、選択肢をいろいろ作ってあげて、知らないものの中から僕はこれが好きだ!というものを見つけてほしいなと思います。観に来てもらって、これは面白い、これは好きじゃなかったという判断をしてもらって全然かまいませんよ。世界には埋もれているこんなにいい映画があるというということを知るきっかけを、子どもたちに作ってあげてください。
少し大きくなったお子さんであれば、CMでやっていて流行っている映画だから見る、ではなくて、自分の判断でいい映画を見つけられるかどうか、そういうことも大事だと思うんですよね。そういう目線でもぜひ映画祭に遊びに来てもらえたら楽しめると思います。
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ありがとうございました!
次回は、いよいよ映画祭の当日の様子についてお届けしたいと思います。
皆さん、会場でお会いしましょう!
(撮影:chiai)『22nd キンダー・フィルム・フェスティバル』
開催日:8/13(水)~17(日)
会場:調布市グリーンホール
主催:一般社団法人キンダー・フィルム(22nd キンダー・フィルム・フェスティバル実行委員会)
公式HP:www.kinder.co.jp