- 2014-09-30
- 第1回 あの番組は、嘘は伝えてないけど真実でもない
2006年9月、第1回目が放送された「痛快!ビッグダディ」。
その放送から7年。今では日本一有名な大家族となった、林下家の大黒柱ビッグダディこと林下清志さんが、ついにママスタに登場です!
2013年12月に「痛快!ビッグダディ」が放送終了した後、タレントとして活動しているビッグダディが、今だからこそ話せる密着取材の裏側や、独自の子育て論、笑いが溢れる林下家ができるまでを、たっぷり語ってくださいました。
全8回に分けてお届けします。
- 2006年9月にスタートした「痛快ビッグダディ」の密着・テレビ放送はどのように決まったのですか?
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テレビの制作会社に情報を提供するリサーチ会社というのがあるんですが、そこに知り合いがいたんです。
俺が最初の嫁さんに逃げられた時に、「その顔で、子ども8人抱えて父子家庭なんて面白いから番組を作らせてくれ」って言われたのが一番最初のきっかけです。その時は、「とてもじゃないけどテレビの密着なんて無理だから」と断ったんですよ。
でも、その後も「どうしても、番組を作らせてほしい」と言われ続けて、それが5年続いたんですよ。5年もずっと興味を持ち続けてくれたってすごいでしょ?
5年も声をかけ続けてくれているし、なんとなくタイミングも合ったので、1回だけならとOKしたのが2006年に放送した第1回目です。
- その密着取材を受けても良いと思ったタイミングとは?
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うちの子どもたちは、8人年子なんですよ。
小学校1年生から中学3年までがほぼ揃う年があって、「そのタイミングはテレビ的には絶対外せないからぜひ放送させてくれ!」と頼まれたんです。でもその時は、地元の高校が廃校になる、ならないという話が出ていて、その高校が廃校になっちゃうと一番近い高校でもうちから30kmも先にあって、通うのに月のバス代が10万位かかることになるし、かと言って引越しをするお金もない…といろいろ悩んでいた時期だったんですよ。
そんな状況では、とても密着取材なんて受けている余裕はないと断ったら、ディレクターが「その引越しを密着させてくれ」って言って来たんですよ。素人の俺だって、30㎞先の街に引っ越しをするのを追いかけても面白い内容にならないのはわかるから、「そんな引越しを追いかけてどうするんだよ!」って言ったら、「お父さん、寒い所が嫌いだって前から言ってたじゃないですか!だったら、暖かい所に引っ越しましょうよ!そのお金は番組が出しますよ!」って言ってきたんですよ。
それを聞いて「えっ!?」ってなって、いろいろ考えて結局密着取材を受けることにしたんです(笑)
- 密着取材が決まった時のお子さん達の反応はどうでしたか?
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うちの子達は「なんだか、うちの中で面白いことが始まるぞ~!」っていう雰囲気を作っちゃえば、それでOKなんですよ。
うちは、常に家の中で楽しいことが起こるように日頃からいろいろと工夫をしていたので、子ども達はそれを楽しむことに慣れていたんですね。
そういう変化をどう受け入れるかは親が作る雰囲気次第だと思いますよ。
- 2013年12月に番組は終了したわけですが、テレビ放送を振り返って思うことは?
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あの番組って嘘はないんですよ。なぜかって、撮れている映像は実際に起こったことだから撮れてるわけです。台本があるわけではないし、もちろん仕込みがあるわけでもなくて、本当に実際に家の中で起きたことが映像として残って、テレビで放送されていたんです。
でも、真実を伝えているかと言えば、そうではない。あの番組で流れている内容がすべて林下家の真実ということではないんですよ。もちろん放送されていないところでもちゃんと生活してますしね。
でも、ただの生々しい真実よりも、見ている方に喜んでもらえる番組になる方が意味があると思うので、それで良かったと思ってますよ。
映した物を、どう面白く編集するかが番組を作る人達のお仕事ですしね。だからあの番組を見て俺のファンだという人にも、アンチだという人にも俺は興味がない。
だって、あの番組の中の俺は本当の俺ではないから。
その俺のことを好きですと言われても、嫌いだと言われても、それは俺自身のことではないと感じているんですよ。でも、そんな中でも、テレビに出たことで多くの出会いがあったし、普通では経験できないこともたくさんできて、今こうして自分がタレント活動なんてことをしているのも全てテレビ放送があったからこそだと思うと、感謝の気持ちもありますよね。
人生って何が起こるかわからないけど、俺が嫁さんに逃げられなかったらテレビの密着がつくこともなく、今みたいな人生にはならなかったわけだから、面白いなぁと思います。
こうしてインタビューをしてもらって、俺の話を聞きたいと思う人がいてくれるのもありがたいことです。
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「痛快!ビッグダディ」の放送で変化した生活について、とても面白そうにお話してくださった林下さん。
次回は、「嘘はないけど、真実ではない」という部分を掘り下げてお聞きしていきます。
お楽しみに。
(取材・文:上原かほり 撮影:chiai)